2018年4月16日月曜日

GEKKOSHA 6th Anniversary Fair 〜フプの森 NALUQ ②〜



『フプの森』のある下川町の面積は東京23区とほぼ同じくらい。
そのうち9割が森林。


なかでも北海道の森を代表するのが、モミの木の仲間「トドマツ」です。
「フプの森」はそんなトドマツの香りに「北海道モミ」と愛称を名付けました。
正式にはマツ科モミ属トドマツ(Abies sachalinensis Masters)と言います。

モミ属を表すAbiesにはラテン語で「永遠の生命」という意味があり、
古くから人々の健康と深い関わりを持っていたことが伺えます。


トドマツの香りはさわやかで軽やかな印象。
キンとした寒さや明るい緑が広がる季節の北海道の森が目に浮かんで来るような香りです。


北海道が開拓される前、下川は原始の森が広がる地でした。
ロシアなどの針葉樹の森と、東北あたりに広がる落葉広葉樹の森の
両方の樹々がちょうど入り交じる場所、それが北海道の森です。


その昔、北海道の林業は、自然に生えた木の中から伐り出す天然林施業が主流でした。
ところが、昭和29年の台風15号(通称洞爺丸台風)による多大な被害と、
度重なる復興材供給で資源が減少し、天然林に頼った林業だけでは立ち行かなくなり
「伐って植える循環型林業経営」に着手せざるを得なくなりました。

また、林業林産業の衰退もあって人口は減り、このままではいけないと考えた下川町は、
独自の取り組みで森林林業を軸に町づくりを進めてきました。
その後、40年間、下川町は毎年40haから50haずつ、木を植え続けました。

しかし昭和56年、またしても自然災害が山を襲います。
高い気温による湿雪と強風の影響を受け、甚大な被害を受け、たくさんの木が倒れました。

なんとかその風倒木を利用しようと考えた結果、
下川町はそれまで町内にはなかった炭づくりに取り組むことを決めました。
しかし、カラマツでできた炭は火持ちが悪いと当初は評判がよくありませんでした。
しかし、視点を変えて売り方を「アウトドアレジャー用の炭」として、
バーベキューに必要な道具とセットで売り出したところ、
短所だった火持ちの悪さは逆に火残りしないという長所に変わり受け入れられました。

その後も森林組合は、細い木も土木資材として加工したり、
削った木屑は粉炭にして融雪剤などに商品化、
炭を作る際に採れる木酢液と炭焼きの煙を使って天然の防腐加工となる燻煙材を作るなど、
工場内で出る副産物を次々と新たな製品に活かす
ゼロエミッションの考えを実践していきました。


そうして、最後に作られたのが、トドマツエッセンシャルオイルの工房でした。

山から得られる資源は無駄にならない。町の人たちにそんな実感があったからこそ、
次は枝葉を活用しようという考えが生まれたのです。


現在フプの森が精油の製造を続けている工房は、
当時作られたまま下川町森林組合の敷地内にあります。
明治から続いてきた下川町の林業の歴史はこの精油にも引き継がれています。


長い時間をかけ、木々を守り、森に生かされた恩返しをしてきた下川町は、
現在では環境未来都市にも認定され、転出入者の差はプラスに転じました。

森と共存する事。それはとても容易ではありません。
けれど、『フプの森』のような森との向き合い方に共感できる方々が北海道に増えてきているのだと
『フプの森』の製品や活動を通して確実に実感する事ができると思います。



FSC森林認証とは

数ある認証制度の中でも、独立した第三者機関による厳格な審査がなされる認証として、
国際的に知られているのがFSC森林認証です。

森林資源の乱穫、違法伐採などの非持続的な林産物を市場から排除するため、
適切に管理されている森やそこから生産されたものに付けられるマークです。

2003年、下川町でも北海道で初めてFSC森林認証を取得し、
町として適正な森林管理に取り組んで行く姿勢を明らかにしました。
「森林環境を適切に保全し、地域の社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な、
森林管理を推進すること」森林環境を保全するだけでなく、
その森林管理のあり方が社会的にも経済的にも適切であるかどうか、
といった点も審査されます。原則とされる基準の中では、
先住民や労働者の権利についても言及されています。


フプの森
〒098-1212 北海道上川郡下川町北町609
TEL・FAX  01655-4-3223

© fupunomori / NALUQ


craft & vintage GEKKOSHA 6 th Anniversary Fair
Hello from Spring Kamikawa Region!』

期間:4/26(木)~5/7(月)
5/1・2の火曜・水曜日は定休日となります
時間:12:00~1800
場所:月光舎

製品情報はこちら

0 件のコメント:

コメントを投稿